保育園や幼稚園に通う年齢の子どもたちの間でも、たたく、噛みつく、物を取り合う、仲間はずれにするといったことは起こります。多くは保育士や幼稚園教諭が間に入り、その日のうちに気持ちの整理がつきます。
私は弁護士になる前、保育園で保育士として働いていました。噛みつきも取り合いも日常的にありましたし、その場で謝って、次の遊びに移っていく子どもたちも見てきました。この年齢のトラブルは、それ自体が問題だとは限りません。
気になるのはその先です。同じようなことが繰り返される。お子さんの様子が変わってきた。園の説明に納得できない。そうなったときに、何から考えればよいかを書きます。
いじめ防止対策推進法は、ここには適用されません
先に、法律の枠組みをはっきりさせておきます。
いじめ防止対策推進法2条2項は、この法律でいう「学校」を、学校教育法1条の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校(幼稚部を除く)と定めています。幼稚園も保育所も、ここに入っていません。
つまり、小中学校で使える「重大事態としての調査を求める」といった手続きは、この年齢では使えません。学校でのいじめとは、出発点が違います。
そのうえで、園には別の枠組みがあります。幼稚園は学校教育法上の学校で、認可保育所や認定こども園は、市区町村や都道府県による指導監督を受けています。園に伝えても状況が変わらず、対応そのものに疑問があるときは、自治体の保育担当窓口や私学担当窓口が相談先になります。
伝え方を整理する
保育園・幼稚園では、日々の保育の中で、保育士・幼稚園教諭が子ども同士のかかわりを見守りながら対応しています。連絡帳や送迎時の会話で家庭と園が様子を共有する仕組みがあることも多く、気になることは、まずこの日常のやりとりの中で伝えるのが最初の一歩になります。
担任だけでなく、園全体に伝える
伝えても状況が変わらないと感じるときは、担任だけでなく、主任や園長にも伝えることを検討します。窓口が広がると、園としての対応につながりやすくなります。
経過を書き留めておく
いつ、どのような場面で、どのようなことがあったか。分かる範囲でメモを残しておくと、園に伝えるときにも、後から振り返るときにも役立ちます。残し方はいじめに気づいたとき、まず残しておきたい記録に書きました。対象となる年齢や場面は違いますが、考え方は共通しています。
連絡帳は、それ自体が日付入りの記録になります。口頭で伝えたことも、翌日の連絡帳に一言書いておくと形に残ります。
聞き取り方に気をつける
小さなお子さんに詳しく聞き出そうとすると、うまく答えられずに戸惑ってしまいます。この年齢では、大人が聞きたい方向に話が寄っていくこともあります。責めるような聞き方にならないよう、お子さんが話せる範囲を待ってください。
環境を変えることを考える場面
伝えても状況が変わらない。お子さんの様子が心配な状態が続く。そうした場合に、クラス替えの相談や転園を選ばれるご家庭もあります。
何を選ぶかは、ご家庭の事情によるところが大きい話です。ご相談の中で、私からどちらかをおすすめすることはあまりありません。
園とのやりとりに迷ったら
保育園・幼稚園でのお困りごとは、園との日常のやりとりの中で解決することがほとんどです。それでも、伝え方に迷うとき、園の対応に納得できないとき、書面でのやりとりが必要になったときには、整理のお手伝いができます。
対面・電話・オンラインでのご相談は30分5,500円(税込)です。メールでのご相談は初回無料です。